『ASKA CONCERT TOUR 2024≫2025 Who is ASKA !?』の国内ツアーのファイナル公演となる2⽉15日の日本武道館の模様を収録したライブ映像作品が8⽉27日にリリースされる。
この作品には音楽エンターテインメントの⾼揚感や爽快感が凝縮されている。冒頭から「GUYS」「LoveAffair」「HANG UP THE PHONE」と、90年代のCHAGE and ASKAのツアーで⼈気を博した曲が次から次へと繰り出されていく。
クライマックスの連続と表現したくなるスリリングな始まり⽅だ。古くからのファンは懐かしさとともに新たな魅⼒を発⾒する喜びを感じるだろう。近年ASKAを知ったファンは感動と驚きを同時に味わうに違いない。
表情豊かな歌声、パワフルなコーラス隊、⼀体感あふれるバンドの演奏。完成度の⾼さと⾃由度の⾼さを両⽴するステージは圧巻だ。⽴体的でカラフルで華やかな照明も⾒どころの1つになっている。
「LOVE SONG」「めぐり逢い」「You are free」「PRIDE」などのCHAGE and ASKAの代表曲とともに、「Girl」「はじまりはいつも⾬」「プラネタリウム」などソロの⼈気曲も交えたセットリストも絶妙だ。
ASKAのアカペラで始まり、感動的なシンガロングが響いた「太陽と埃の中で」、ストリングスの演奏映像とシンクロする歌と演奏が⾒事な「僕はこの瞳で嘘をつく」、1万⼈が拳を突き上げた「YAH YAH YAH」など、画⾯からも観客の熱狂が伝わるだろう。
ASKAの歌声がメンバーを触発し、バンドの演奏がASKAの歌声を開放していく。さらに、ステージ上の熱気と客席の熱気とが循環して、武道館の中が⽩熱していく。
怒濤の展開に続くソロ曲「消えても忘れられても」でのASKAの渾⾝の歌声もこの作品の⼤きな⾒どころだ。観客がスマホの⽩⾊ライトを点滅させる中での「歌になりたい」では、ASKAが星々に向かって歌いかけているかのようだった。
アンコールラストの「On Your Mark」ではASKAが画⾯に向かって指さしながら歌いかける。これは極上の音楽エンターテインメント作品であると同時に、聴き⼿の胸に熱き炎を灯すドキュメント作品でもあるだろう。
『WHO is ASKA !?』というツアータイトルどおりに、音楽家としてのASKAの多⾯的な魅⼒が詰まった映像作品となった。
さらに、本作にはツアーの舞台裏に迫る貴重なドキュメンタリー映像も収録される。この作品を観ると、⼀⼈⼀⼈の中で、『Who is ASKA !?』という問いへの答えを⾒いだすことになるだろう。その答えはおそらく観た⼈の数だけある。
⾳楽ライター︓⻑⾕川 誠